社員に適切な給与を支払うための重要な資料となる勤怠表は、記録することが法律で義務になっています。2019年に働き方改革関連法案が施行されてから、職場での生産性向上のためにさまざまな改革が行われていますが、労働生産性を高めていくためにも勤怠管理は重要です。ここでは勤怠表の内容やシステムで管理する方法、保管期間などを紹介します。
勤怠表とは?
社員一人ひとりの勤務時間や休日出勤の時間、欠勤の理由など勤務に関する記録をまとめた書類を勤怠表といいます。社員の勤務の予定やスケジュールをまとめた勤務表と混同されることもありますが、異なるものです。
企業は労働者の時間外労働に適切な給与を払うことが労働基準法第37条において定められています。法律を遵守するためにも勤怠表は重要な書類です。
企業が社員一人ひとりの勤務時間を適正に管理し、時間外労働も含めて正しい給与を算出し、未払い防止の材料となります。長時間労働の防止や社員の健康維持にも役立ちます。
勤怠表で記載すべき内容
一般的に勤怠表にはどのような項目を記載すべきか見ていきましょう。
■ 出勤時間・退勤時間
出勤と退勤の時間について記録します。実際の勤務時間と記録した時間に差がある場合は実際の勤務時間を記録することもできます。
■ 残業時間
残業時間は通常の1.25倍の給与を支払う必要があるようです。とくに夜10時を過ぎると深夜残業にあたり、さらに1.25倍になり、通常の賃金の1.5倍の給与を支払わなければいけないので、正しく記録することが重要です。
■ 休日出勤
労働基準法第36条で時間外・休日労働に関する協定届(サブロク協定)が定められています。法定労働時間を超えて社員に労働を命じる場合には、労働組合との書面による協定や労働基準監督署への届出が義務付けられています。時間外労働の管理がサブロク協定にもとづいたものになっているか確認するためにも、勤怠表は有効です。
■ 早退・遅刻
具体的な早退や遅刻の時間についても記録します。
■ 欠勤日数
欠勤した場合、有給とは異なり社員はその日の給与を取得することはできません。
■ 有給取得日数
休暇を取っても給与がもらえる仕組みである有給休暇の記録も行い、取得日数と年度内の残数を確認します。
勤怠表の管理をシステムで行うことも可能
勤怠管理を行ううえでのさまざまな課題を解決するために、システムを使用することも可能です。システムを活用することで、さまざまな場所やデバイスで出勤・退勤時間などを把握できます。大人数のデータをまとめて集計して管理できるのも特徴のひとつです。
■ 紙で管理する問題点
タイムカードを器械に通すことで出退勤の時間を記録できるタイムレコーダーは、ひと月の勤怠状況が一目でわかりますが、紙に打刻されたデータを最終的にパソコンに入力して集計を行わなければいけません。
打刻漏れがあった場合にさかのぼって確認したり、入力漏れがあったりする可能性があり、正しい情報を管理できません。集計や全体の状況を把握するため人件費がかかるため、社員が多い会社ではおすすめできないでしょう。
■ システムの機能
勤怠システムにはさまざまな機能があります。打刻に関してはICカードなどを利用した場合タッチするだけで完了し、クラウド型のシステムを導入すればスマートフォンやパソコンからシステムにアクセスすることで打刻が完了します。
残業や休暇などもシステムを使用することにより、ワンクリックで申請や承認が可能です。申請者も自分の申請内容や勤務状況が確認できるので便利です。
残業時間などに関して上限設定を設けている場合には、メールでアラートを出すこともできます。システムで集計した社員の勤怠データをもとに、簡単に給与の算出もできるので作業時間の短縮につながります。
■ システムの導入メリット
社員の勤務時間について法律に則って正確に管理できるのが一番のメリットです。また、勤怠システムと給与計算のシステムを連携することで、効率よく給与計算ができます。
労働基準法で定められた時間外労働や休日出勤、深夜勤務など割増対象となるものについて、その都度規定と勤怠情報を照合する必要もありません。
勤怠表の保管期間
2020年4月に労働基準法が改正されて勤怠表の保管期間は3年間から5年間に変更されました。勤怠表はアルバイトや派遣社員を含む全社員のデータを保管する必要がありますが、みなし労働時間制の社員や管理監督者のデータは保管義務の対象外となっています。
ただし、社員を不当に扱っていないという証拠として一定期間は保管しておきましょう。保管期間が設定されている理由としては、労働基準監督署からの情報開示の際に提出することと労働時間に関するトラブルを防止することが目的です。
勤怠表は企業にとって社員の労働状況を把握し、適切な給与を支払うために必要な情報です。システムを導入することで簡単に管理でき、人件費の節約や勤務時間の短縮につながります。正確なデータ管理を行うためにも、システム導入の検討をおすすめします。
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引用元:https://lookjob.jp/
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