社員の勤怠管理をタイムカードやエクセルからシステムに切り替える企業は毎年増えており、2020年時点で約6割の企業が勤怠管理システムを導入済みという調査結果が出ています。ここでは勤怠管理システムの導入を検討中の人事担当者・労務担当者の方に役立つ、勤怠管理システムの費用相場やランニングコストについて詳しく解説します。
かかる費用はクラウド型・オンプレミス型どちらかによって変わる
勤怠管理システムには大きく分けてクラウド型とオンプレミス(パッケージ)型の二つがあり、それぞれ費用も異なります。
クラウド型はインターネットのサーバー上にあるシステムにアクセスして利用するタイプのシステムで、インターネット環境さえあれば場所を選ばすに使用できます。そのため、事業所が複数ある会社や出張の多い会社はクラウド型を選ぶ企業が多くなっています。
オンプレミス型は社内に専用のサーバーを設置し、そこにシステムをインストールして利用します。システムを使える場所は社内に限られますが、セキュリティが強固でカスタマイズ性が高い点が特徴です。
クラウド型は自動でシステムアップデートが行われ、アップデートに費用がかかることは基本的にありませんが、オンプレミス型で機能のアップデートを希望する場合は別途費用が発生します。
クラウド型とオンプレミス型、それぞれにかかる導入コストとランニングコストも鑑みて、自社にとって最適なシステムを選んでください。
初期費用の内訳と費用相場
クラウド型とオンプレミス型どちらであっても、勤怠情報の確認を行うためのパソコンが必要になります。社内に推奨環境を満たす端末があれば、新規で購入する必要はありません。
クラウド型の初期費用の相場は0~50万円程度です。初期費用の内訳はライセンス発行費用0~10万円程度、導入サポート費用0~20万円程度、システム移行費用20万円程度~です。
クラウド型は導入時にエンジニアによる作業工数が発生しないため、サービスによっては初期費用無料で導入することもできます。イニシャルコストがかからない点はクラウド型の魅力のひとつです。
オンプレミス型は自社専用のシステムになること、サーバーを設置する必要があることなどからクラウド型と比べ若干費用相場が高くなり、初期費用の相場は30~100万円程度です。
初期費用の内訳はライセンス発行費用0~10万円程度、導入サポート費用0~20万円程度、システム移行費用20万円程度、システムパッケージ費用30〜100万円程度、サーバー設置費用5万円程度〜、システム構築費用4万円前後(エンジニア1人あたり/日)×人数×工数です。
また、勤怠管理システムの導入時はクラウド型、オンプレミス型どちらであっても打刻機器が必要となります。打刻機器の購入費用相場は3,000円~15万円前後です。打刻機器の種類によって費用が大きく異なります。
最もリーズナブルなのがICカードリーダータイプで3,000~5,000円程度、指紋認証タイプが3~5万円程度、静脈認証タイプが15万円前後です。ICカードリーダータイプは打刻専用のカードを用意することもできますが、従業員が使っている定期をタイムカードとして登録することも可能です。
指紋や静脈を使う生体認証は費用が高額なだけでなくカードリーダーと比較して読み込みに時間がかかります。同じ時間帯に全従業員が出勤する場合は、混雑を回避するため複数台導入の必要があります。ICカードリーダータイプは費用が安く読み込みも早いので、一般的にはICカードリーダータイプを選ぶ企業がほとんどです。
ランニングコスト
勤怠管理システムには初期費用の他にランニングコストがかかります。クラウド型勤怠管理システムのランニングコストは、システムの基本料金とデータ利用料金がかかります。
基本料金は0~5,000円程度、データ利用料金が利用人数×100~500円程度です。システムの利用人数によって料金が異なるのがクラウド型のランニングコストの特徴です。
オンプレミス型勤怠管理システムのランニングコストは、ひと月当たり1万円程度のサーバー運用及び保守・管理費用のみです。バージョンアップが必要な場合は数万円~の費用が別途発生しますが、企業規模によってはクラウド型よりもランニングコストを安く抑えることができます。
サービスにもよりますが、従業員数が100人以上であればランニングコストはオンプレミス型の方が安くなる可能性が高いといえます。
とはいえ、勤怠管理システム選びはコストだけで選ぶことはやめましょう。たとえばコロナ禍でテレワークをしている従業員が多い場合は、場所を選ばずに利用することのできるクラウド型が適しています。自社の就業環境に適したサービスを包括的に判断してください。
各社にあった勤怠管理システムの種類は、企業の規模や事業内容によって異なります。紹介した費用相場も参考にして、クラウド型とオンプレミス型どちらが最適か判断してください。どちらのタイプでもサービスを提供する事業者は複数あるため、自社の従業員数や打刻方法などの条件を伝えて複数社から見積りをとり、サービスの詳細を聞いて比較してみるといいでしょう。
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引用元:https://lookjob.jp/
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