
勤怠管理システムでは、打刻や休暇、残業時間などの勤怠データを管理できます。しかし、給与計算や人事労務、会計などのシステムに手作業で転記していると、担当者の負担が大きくなります。API連携を活用すれば、異なるシステム間でデータを自動的にやり取りでき、業務効率化につながります。
勤怠管理システムのAPI連携とは
APIとは「Application Programming Interface」の略で、異なるソフトウェアやシステムの間をつなぐ仕組みです。
APIを利用すると、あるシステムがもつデータや機能を、別のシステムから利用できるようになります。APIを通じてシステム同士でデータや機能を連携することを「API連携」と呼びます。
勤怠管理システムの場合、従業員情報や打刻時刻、日別・月別の勤怠実績、休暇、申請、承認結果などがAPI連携の対象になります。
たとえば、勤怠管理システムに登録された月間の勤務時間や残業時間を給与計算システムへ連携すれば、担当者がデータを確認して手入力する作業を減らせます。
API連携では、システムからデータを要求する「リクエスト」を送り、その結果としてデータなどの「レスポンス」を受け取るのが基本的な仕組みです。
Web APIでは、HTTPやHTTPSなどの通信規格を利用して、ネットワーク経由でシステム間のデータをやり取りします。
CSVファイルを出力して別のシステムへ取り込む方法と比べ、API連携では一定の処理を自動化しやすい点が特徴です。
ただし、すべての勤怠管理システムが同じAPIを提供しているわけではありません。導入前には、利用したい外部サービスとの連携に対応しているか、どのデータを取得・送信できるかを確認する必要があります。
勤怠管理システムをAPI連携するメリットと活用方法
勤怠管理システムを外部サービスとAPI連携すると、単にデータを移動できるだけではありません。日常的に発生する入力や転記、確認作業を自動化し、バックオフィス業務全体の効率化を図れる可能性があります。
給与計算システム
勤怠管理システムに蓄積された勤務時間、残業、休暇、遅刻・早退などの情報を給与計算に利用できれば、給与計算担当者による転記作業を減らせます。毎月の締め処理にかかる時間を短縮できるだけではなく、入力ミスや転記漏れの防止にもつながります。
人事・労務システム
従業員の入社や退社、異動などが発生した際に、人事システムと勤怠管理システムの情報を同期させれば、それぞれのシステムへ同じ情報を入力する手間を抑えられます。とくに従業員数が多い企業では、二重入力を減らすことで担当者の負担軽減が期待できるでしょう。
会計・経費システム
会計・経費システムと連携すれば、勤務時間や工数などをもとに部門別の人件費や原価を管理することも可能です。さらに、BIツールと連携して日別・月別の勤怠データを分析すれば、残業時間の傾向や部署ごとの勤務状況を把握し、労務管理の改善に役立てられます。
チャットツール
チャットツールとの連携も活用方法のひとつです。たとえば、打刻漏れや承認待ちの申請、勤怠の締め日などを自動通知する仕組みを作れば、担当者が個別に確認・連絡する必要が減ります。勤怠管理を「記録する」だけではなく、その後の確認やフォローまで自動化できる点がポイントです。
API連携するときの注意点と導入の進め方
勤怠管理システムのAPI連携は便利な一方、導入すれば自動的に業務が効率化するわけではありません。
連携するデータや処理方法を事前に整理し、運用時のトラブルにも対応できる仕組みを整えることが重要です。ここでは、API連携するときの注意点と導入の進め方について解説します。
導入の進め方
まず確認したいのが、どの業務をAPI連携によって効率化したいのかという目的です。給与計算のために月次勤怠を連携したいのか、人事情報を同期したいのか、打刻漏れを通知したいのかによって、必要なデータや連携方法は異なります。
目的が曖昧なまま連携範囲を広げると、システムが複雑になり、かえって管理負担が増える可能性があります。
次に、連携するデータ項目と「どのシステムを正しい情報の基準にするか」を決めます。たとえば、従業員情報は人事システム、勤怠実績は勤怠管理システム、給与計算結果は給与システムを正本とするなど、役割を明確にします。
従業員番号やメールアドレスなど、システム間で照合する項目のルールもあらかじめ統一しておくことが大切です。
また、データをいつ連携するのかも重要です。リアルタイムでの連携が適しているケースもあれば、1日1回や給与計算前など、一定のタイミングで十分なケースもあります。
打刻漏れや通信エラー、締め処理後の勤怠修正など、通常とは異なるケースについても対応方法を決めておきましょう。
セキュリティ対策も欠かせません。勤怠データには従業員の勤務状況などの情報が含まれるため、APIキーやアクセストークンなどの認証情報を適切に管理し、必要以上の権限を付与しないことが重要です。
API提供元によってはリクエスト回数に上限が設定されている場合もあるため、利用条件を事前に確認する必要があります。
連携時の注意点
API連携を始める際は、最初からすべてのシステムを接続するのではなく、負担の大きい業務から段階的に取り組む方法がおすすめです。
たとえば、毎月の勤怠データを給与計算システムへ連携するところから始め、運用が安定した後に人事や会計、BIなどへ対象を広げます。
なお、プログラミングの知識が必要になるケースもあるため、自社に開発・運用の担当者がいない場合は、API連携に対応した外部サービスや開発会社への依頼を検討する方法もあります。
比較的単純な通知やデータ転記であれば、ノーコード・iPaaS型のサービスを利用できる場合もあります。
まとめ
勤怠管理システムのAPI連携とは、勤怠管理システムと給与計算、人事労務、会計、チャット、BIなどの外部サービスをつなぎ、データや機能を自動的にやり取りする仕組みです。転記や二重入力を減らせるため、業務効率化や入力ミスの防止につながります。一方で、連携するデータやタイミング、正本となるシステム、エラー発生時の対応などを事前に決めておく必要があります。勤怠業務のなかでとくに負担の大きい作業からAPI連携を始め、効果を確認しながら対象範囲を広げるとよいでしょう。
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引用元:https://lookjob.jp/
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